真空管ラインアンプの製作

6G-B8(T)トランス入力のメインアンプに見合うラインアンプがほしくなり、
出来るだけ手持ちの部品を使って、トランス送り出しのラインアンプを製作しましたので紹介します。

ラインアンプ ラインアンプ

ラインアンプ
   [外観・内部]

ラインアンプ
    [回路図]

ラインアンプ  ラインアンプ
 10kHz入力波形         出力波形

(仕様)
ゲイン:1.5倍
出力:ノンクリップ3V(600Ω抵抗負荷)
f特:30~20kHz(+0、-1dB)
シャーシー:180×280×70

詳細は、次ページ
(詳細)

A.回路について 

正相接続
出力トランスには、極性(●印)があるので正相出力となるようにトランスを接続して下さい。

バランス出力
今回は、よくばってバランスとアンバランスの両方が出力できるようにしました。
最初は、HOTをXLRの3番にするか、2番にするかで悩みましたが、
どうも民生オーディオ機器では、3番HOTが主流のようです。
(ただし、1992年にAES規格では、2番ピンをHOTにすると決めたのだが...)

音については、バランス接続とアンバランス接続それぞれに特徴があるようです。
下記の(試聴)欄をご覧下さい。

(補足)
Netで調べると、ある大学の論文に“バランス伝送回路とアンバランス伝送回路”に関する音質の違いが載っていました。
興味のある方は読んでみてください。
https://dspace.jaist.ac.jp/dspace/bitstream/10119/1542/2/1578paper.pdf

ヒーター整流回路
定電圧の3端子REGでもやってみましたが、違いが良く分からず、もっともシンプルなチョークコイルを使ったコンデンサーインプット方式にしました。
傍熱管であっても直流点火にすると、大きく音は変わります。
また、FRD(ファーストリカバリーダイオード)とSBDも音に違いが出ます。

B電圧整流回路
整流管には、手持ちがあったのでWE412Aを使いましたが、安く上げたければ6CA4がよいでしょう。
ベストは、WE422Aですが。これを使うと重心がぐっと下がり、音の品位が1ランク上がります。

真空管の取り付け
振動に弱い電圧増幅管は、サブシャーシーに取り付け、防振ゴムでサブシャーシーを浮かせてあります。
(PCに使うFANの防振用として売られているシリコンゴムWを使いました。)
効果のほどは確認していませんが。対策だけはやっておきました。

コンデンサーの極性
2.2μのフィルムコンにも極性があるので左右同一極性に揃えました。
「巻き終り側を高圧側に持ってくる」ということですが、
コンデンサの外側を指でつまんで雑音が出るかどうかで判断できます。
私は、オシロにつないで確認しました。(ミリバルでも可)

下記のHPに詳細が載っています。
http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=697
http://www.soundden.com/jyumyo.html


B.使用パーツについて

・電圧増幅管 WE337A
WE310Aが入手困難となり代替品として購入してあったものです。
310Aとの音の違いは、あまり感じません。
WEの球が入手不可の場合は、“42”、“6AR5”あたりを使うのもありかなと思います。
ただし、WEの球は、なぜか一味違う音がします。

・ライントランスNP-8旧タンゴ製(10k:600Ω 変圧比1:0.245)
1次インピーダンスは、20kΩとか大きめの方が球とのマッチングが良いようですが、
WE337A(T)ではゲインが不足して減衰器になってしまうので今回は諦めました。
また、パーマロイコアやファインメットコアのトランスを使うのもいいでしょう。
私は、繊細で明るい音色のパーマロイコアが好みです。
(パーマロイコアのライントランスは、WELCOMEのH-1837がおすすめです。別のアンプで私も使っております。YAHOOオークションより購入出来ます。)
http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b113819556

・電源トランス ISO ST-30S
電源トランスは、プリアンプ専用に作られたISOの磁気シールドがしっかりしたトランスをセレクトしました。漏洩磁束はまったく問題ありませんでした。

・ヒーター用チョークコイル
0.1H/1A(内部抵抗2Ω)のチョークは、秋葉原ラジオセンター内の「東栄変成器」で購入しました。@800円位

SBD(ショットキーバリアダイオード)
各種出ていますが、今回は、コスト第一で富士電機“ERC81-006”(60V3A)を使いました。
秋葉原ラジオデパート内「光南電気」で購入しました。@100円位
ブリッジを組むのが面倒な人は、A&R Lab“B6A06”が便利でしょう。
ただし、@1500円位

ボリューム
音量調節用のVRは、2連VR(ALPS945G角型)を使ってみました。
VR自体は大きなギャングエラーも無いようで使えるのですが、
アンプの左右のGAINの違いや入力等のバラツキに対応するには、
左右別々に調節の出来る単連VRの方が便利だということが分かりました。
そのうち、単連VR2個に改造するつもりです。
(私のアナログ機材は古いのでなかなか左右が揃っていません)

コンデンサー
カップリングコン(2.2μ)は、AUDYN-CAP MKP-QSを使いましたが、
好みによりASCなどのポリプロピレンフィルムコンが良いようです。


(試聴)
使用機器
・メインアンプ:前回製作6G‐B8(T)シングル
(入力は、600Ωトランス受けに改造)
・CDプレーヤー:デンオンDCD-1650AZ
・SP:ALTEC 604―8G
・ ソース:CD 
キャノンボールアダレイ/KNOW WHAT I MEAN
ナットアダレイ/WORK SONG
ビルエバンス/WALTZ FOR DEBBY

従来はCDプレーヤーから直接、メインアンプにつなぎ、
音量調節は、CDプレーヤーのVRで行っていました。
このラインアンプをCDプレーヤーとメインアンプの間に入れることにより、音に躍動感が出るようになりました。

[前]:平面的、静か、つやがない ⇒  [後]:躍動感、厚み、つやが感じられる

また、バランス接続、アンバランス接続の試聴もしてみました。
音の違いは、
・バランス=透明感、奥行き感がある
・アンバランス=透明感、奥行き感は少し薄らぐが力強さ・厚みを感じる

現在は、“アンバランス接続”にしてあります
SPが少しきつめの音をだすのでアンバランスの方がよいようです。

“②バランス出力”で紹介した大学の論文を追試した結果となりました。

以上
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tag : 真空管 ラインアンプ WE337A NP-8 バランス伝送

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プロフィール

ブレイキー

Author:ブレイキー

オーディオにとりつかれて数十年、飽きもせず真空管アンプを作り続けています。歳とともに趣味も増えて、ハマちゃんになったり、JAZZの生録会に参加したりと楽しんでいます。

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